皇室典範の改正についてアンケート調査が行われると、
必ず過半数が賛成の意思を示します。
紀子様に男の子悠仁様がお生まれになっても結果は変わりません。
前回書いたように、法律改正というのは制度趣旨こそが命です。
しかし、こういうアンケートではそこまで考えて回答されません。
極論するなら、「なんとなく賛成」が多いでしょう。
では、そんな何となくを後押しするのはどういう状況なのでしょう。
「雅子様が可哀想」「天皇は女性・女系でも構わないんじゃない?」
「悠仁様の皇位継承権が愛子様よりも上になっちゃったのは違和感ある」
等々でしょう。
これは法律全般に言えることですが、
制定された当時と状況が変われば、改正の空気から逃れられません。
皇室典範は明治22年の法律です。
大日本帝国憲法の下、吉田茂内閣時代に作られました。
皇室制度について定めてありますから、
社会を定めた法ほどには社会変化の影響を受けません。
しかし、皇室の状況が変わればその影響からは免れ得ません。
割と極端な意見も見られる岡崎久彦氏ですが、
著書「国際情勢判断」の中で氏の理想とする皇室像を語っています。
皇室が国民の間に何の違和感もなく存在し、空気の如く、
そして日本の風土の春夏秋冬の一部の如く、
何ら特別な工夫や人為も要せずに
国民によって受け容れられ、
何のキズもなく代々伝えられて行く
素晴らしい意見だと思います。もっともだと思います。
しかし、「キズ」という部分に引っかかりを覚えます。
女系・女性天皇は「キズ」なのか。
そもそも皇室典範改正が「キズ」なのか。
一度その「キズ」が付いたらもはや受け入れがたいものなのか。
そもそも、国民的関心事となった法律は、
どうにも改正しにくい現状があります。
榊東行(ペンネーム)氏の「三本の矢」の中で、
住専処理の難しさについて描写した場面があります。
これほど政治の論理、行政の論理、経済の論理、司法の論理、
経営の論理、さらには義理人情の情理など、
次元の異なるさまざまな理屈が混同されて論じられている問題は、
近年ないであろう。
無論、これをそのまま皇室典範改正の難しさに当てはめることはできないですが、
それでもなんとなく共通のややこしさが見えてきませんか?
次期首相が確実視されている安倍晋三氏は改正に慎重姿勢です。
恐らく改正されないとは思いますが、
改正されそうな場合でも、されなさそうな場合でも、
それがどのような論理で語られている意見なのか見極めてください。
少しずつですが、整理されてくると思います。
2006年09月13日
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